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2025.06.23
会長の時間
6月は虫歯予防週間です。僕が開業した頃、小学校の学校検診に行くと虫歯の無い子供は1学年に2人か3人しかいませんでした。
しかし最近では、虫歯のある子どもを探すのが大変でほとんどの子供から虫歯が無くなりました。長年に亘る歯磨き指導や歯科医師会で奨励してきた80-20運動の成果と言えると思います。しかし、逆に歯周病は増えてきていると感じます。
今日はお口の健康についてお話しします。
お口の働きは、呼吸をする、食べる、話しをするのが主な働きです。
動物は生きるためにものを食べます。人間も動物ですから当然生きるために物を食べますが、動物の中で楽しみながら物を食べることが出来るのは人間だけです。食べ物を見て、きれいな器を愛でたり盛り付けの綺麗さに感心したりしながら箸を進めるのは人間だけでしょう。食べるためには人は最大限に五感を働かせます。まず臭いを嗅いで腐っていないか、熱いか冷たいか、甘いか辛いか、硬いか柔らかいかなどを嗅覚や視覚で確認しその情報を脳に送り、箸を動かしてものを口に運ぶという難しい動作をしているのです。当たり前とだれも気にしていませんが実は脳の前頭葉をフル稼働してご飯を食べているのです。よく噛む子供は頭が良くなる、よく噛む大人は老化しない、認知症にもなりにくいと言われます。
食べることは健康に生きるための原動力ですが、楽しみながら食べることが健康の秘訣だと言われています。漫画サザエさん一家の食卓が理想的だと言われます。みんなで笑顔で話しながら食事をすることが体の健康にはとても大切なのです。ロータリーのトーキングサロンも理想の健康法でしょう。美味しく食べるためにはしっかりしたよく物が噛める噛み合わせが大切です。歯周病で歯が無くなってはよく噛むことも美味しく食べることも出来ません。よくかみ砕くことが出来なくなると嚥下性肺炎などの全身疾患を起こす原因にもなります。お口の中が不潔になると色々な身体の障害が起こります。
次回は歯周病などが引き起こす病気についてお話ししようと思います。(スライドを参照しながらのお話でした)