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大分県の川シリーズ 県南の川と海

2025.04.22

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最後は県の南、佐伯を流れる番匠川です。大分に住んでいる人には余り馴染みのない川ですが、三重町三国峠あたりを源流にして佐伯市内を流れ佐伯湾に注ぐ県南の大河です。1月から3月頃に河口付近に海から上がって来るシロウオ漁が有名です。透き通る3㎝程のシロウオの踊り食いは春の訪れを感じさせてくれる珍味です。番匠川のことは余り詳しく知りませんが、県南と言えば川よりも海の産物の方が有名でしょう。

佐賀関、臼杵、津久見、佐伯と県の南部を県南と言います。県南部は豊後水道と言う流れのはやい瀬戸が四国との境に位置しています。この潮の流れと、深く陸地に切り込んだリアス式海岸線のお陰で身の引き締まった魚が沢山育ちます。

旬の関アジや関サバなどは寿司ネタしても最高の味で、高値で取引されます。臼杵はフグの水揚げが多く、関東、関西方面にも沢山送り出されています。喜楽庵やみつご、ふくまさ、山田や等々数件のフグ料理専門店があり美味しいフグを食べることが出来ます。ここで大分県のフグ料理にだけ許されている隠し味があります。フグ肝です。これをタレに溶かして、肝和えとしてフグの刺身を食べます。フグ肝にはテトロドトキシンと言う猛毒が含まれているというので、全国何処でも肝は出してもらえませんが、何故か?大分県だけ許されているのです。と言うか黙認されていると言った方が良いのでしょうか?この特権は過去の食通で有名な県知事さんが、ふぐの肝和えは大分の郷土文化である、と主張して自治省を黙らせたという伝説に基づいています。臼杵の調理師は肝の毒を抜く秘伝の調理法を使って郷土料理の文化を守っています。海産物は関アジ、関サバのほか天然のイセエビや車エビ、わかめの種類でクロメ、その他もアワビやサザエなどの貝類も豊富に捕れ、食をそそられます。

佐伯の海では近年マグロの養殖に成功し、ヨコヅーナというネーミングで市場に出回る様になりました。天然マグロは高いですが、養殖でたくさん捕れるようになれば気軽にマグロを味わえるようになります。英語のツナと横綱を掛けたちょっと洒落た名前です。

僕は山の中で育ちましたので海の魚は苦手で、魚と言えばハヤとアブラメ、どんこくらいしかまともに食べたことが無かったので海の魚は青臭くて嫌いでした。大分に帰ってきて仕事を始めた頃、院長先生に連れて行ってもらった寿司屋で初めて海の魚の旨さを知ったようなものです。関アジを初めて見たときにはその大きさにブリと間違いました。しかし関アジの旨さにすっかり虜になり、今では寿司屋さんに行くのが仕事疲れを癒す最高の楽しみになっています。

佐伯は豊富な魚介類が安く手に入るので、沢山のお寿司屋さんがあります。そのお値段も大分に比べればずっと安く食べられるようです。

又食べ物の話ばかりになってしまいましたが、旨いお酒と旨いお料理があれば、人生は最高に楽しいですね。それにゆったり疲れを癒す温泉がついていれば正に言うことなしですね。そう考えれば、大分県は天国のようなところですね。転勤で大分に来ていらっしゃる方も大分の味と文化を存分に楽しんでください。

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